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サイエンス・カフェ―太陽を地上に―

1億度にプラズマを加熱する―太陽を地上に―      

 サイエンス・カフェをご存知ですか。

 湘南国際村にある総研大(総合研究大学院大学)が主催し葉山町を会場に行う、カフェの雰囲気を味わいつつ最先端科学の研究者から直接お話を聞いたり、質問したりできる催しです。

 先月6月23日(土)のサイエンス・カフェは、同じく湘南国際村に拠点を持つかながわ国際交流財団の実施事業「湘南国際村アカデミア」との共催で行われました。今回は、湘南国際村センターを会場に核融合の研究について、総研大教授でもある自然科学研究機構核融合科学研究所教授の竹入康彦先生からお話を伺いました。


今回は参加者の関心が非常に高く、定員を超える49名(葉山町在住16名)の方が参加しました。

 この核融合の連鎖反応を人工で起こすことは、まだ実現出来ていませんが、各国がしのぎを削る競争が繰り広げられています。核融合研究にはいくつかの方式があります。一歩先を行っているのがトカマク方式ですが、トカマクは核融合を連続して起こすことが課題として残されています。

 竹入先生も参加して研究しているのがヘリオトロン方式で、これは日本発の方式で核融合を連続して起こすことができるという特徴があります。(ヘリオトロン方式は、故・宇尾光治博士により1958年に提唱されました。)

 竹入先生が研究者になって間もない頃、宇尾先生になかなか名前を覚えてもらえず、「ちょっとそこの若いの」と呼ばれ、ヘリオトロンの事を非常に熱く語られたそうです。

 太陽は、水素原子4個からヘリウム原子1個ができる反応ですが、これよりももっと容易に起こすことができる、重水素原子1個と三重水素原子1個からヘリウム原子1個ができる反応をめざしています。

 最近大きく進展した成果としては、イオンビームをプラズマに入射するとき、磁場に跳ね返えされない様に中性化(電気的に中性な粒子にする)しなければなりませんが、セシュームを使うことで、劇的に負イオン電流を作りだすことが可能となり、結果、中性化が容易にできるようになりました。

 小惑星イトカワまで行き、サンプルをとってきた「はやぶさ」に使われたイオンエンジンは、核融合研究の成果を、宇宙開発へ応用した例だそうです。

 実用化までは、約30年というのが現在の見通し。

 

 参加者からの質問としては、

Q 実用化までどのくらいのお金がかかるか?

Q 安全性の問題で、現在の原子力発電における爆発の様なことは起きないのか?

A これについては、装置が壊れると核融合反応は止まってしまうので、今の原発の様なことにはならない。

Q 核融合から出る中性子を、原発が出してしまった核廃棄物に照射して、壊変を促進できないか?

A 核廃棄物処理という目的で、核融合の研究は行われていない。ただし、この壊変の促進に関しては、J-PARCと言う機関が取り組んでいる。

 この研究は、J-PARCで「核変換技術研究」として進めています。

 http://j-parc.jp/Transmutation/ja/ads-j.html

 

 なお、サイエンス・カフェは、定期開催されているのは、5月3日会場総研大、その他は不定期で年に数回開催されています。会場は湘南国際村センター、一色小学校近くの夕凪亭がよくつかわれます。

 今回も含めて、高校生以下は参加無料になることが多く、学生の方ぜひご参加ください。